東京に7年ぶりに8cmの雪が降った2日後の事、駅ビルの地階の食品売り場から大声が聞こえてきた。「迷惑だから外に出ましょう」。 振り返ると浮浪者風の男性が警備員に腕を掴まれやってきた。エスカレータの上り口で男性が拒否、床に寝転んだ。警備員は「迷惑だから外へ出ましょう!」といいながら男性を立たせようと揺さぶったり、髪の毛を引っ張ったり乱暴な扱いをしていた。 男性は「&$!#)(”=△〇」と訳の分からない言葉を発している。どうも酒に酔っているようだった。警備員は無線で援助を要請し二人掛で何とかエスカレータに乗せ1階へ運んだ。 雪の降った後は降っている時より寒い。暖房の効いた建物の中に入ってしまったのかもしれない。食品売り場には沢山の美味しそうな物が山のようにある。暖かさとひもじさに負けたのかもしれない。 が、身なりが余りにも汚れていた。あの恰好で売り場を歩かれたら、一般の客が避けて行くのが目に見えている。誰かが警備員に通報したのだろう。 考えてみた。彼がお金を所持していたらあのような扱いをされたのだろうか?お金は有っても身なりで判断されてしまうのか。実は彼は大金持ちでワザとあのような身なりでドッキリを試したと思いたかった。後で聞いたら警察へ連行されたらしい。 なんとなく“レ・ミゼラブルああ無情”を思い出していた。ジャン・バルジャンはパン1個を盗んで19年も服役し教会で銀の食器を盗んでしまった。警察に確認された司教は「与えたものだ」と彼をかばい、バルジャンは「生まれ変わろう」と心を入れ替えたそんな話だった。 丁度レ・ミゼラブルが上映されていて大ヒットしてるそうだ。寒い日は暖かい映画館もいいかもしれない。
by akatibarati777
| 2013-01-24 15:17
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